ドメインは日本向けに取得したものの、サーバーが海外ならICP届出が必要なのか判断できない。
判定:ウェブサイトとアプリを日本の東京に置き、中国本土のサーバーによる接続サービスを使わない場合、その中国本土の接続に関するICP届出は通常必要ありません。ただし、コンテンツ、営業許可、業種別の義務まで免除されるわけではありません。
日本向けの独立サイトを東京に配置する越境EC担当者は、公開前の手続き確認に役立ててください。
日本や東アジア向けのSaaS・コンテンツサイトを運営する担当者は、サーバー所在地と事業上の責任を切り分けて確認できます。
共有ホストやVPSからの移行を検討しているサイト運営者は、現在の接続構成と移行後の確認事項を整理できます。
まず、ICP届出の対象とサーバー所在地を分けて考える
「日本サーバーなら必ず届出不要」と、所在地だけで決めるのは適切ではありません。確認の起点は、サイトやアプリを実際に置いている場所と、中国本土のサーバーや接続サービスを使っているかどうかです。ドメインの登録場所や企業の所在地だけでは、接続構成の全体像は判断できません。
中国の「インターネット情報サービス管理弁法」は、サービスを営利性と非営利性に分け、第4条でそれぞれに許可制度と届出制度を設けています。第5条は、営利性サービスに必要な許可について定めています。制度の区分と対象は、同弁法の条文で確認できます。
一方、非営利インターネット情報サービスの届出については、工業情報化部の「非営利インターネット情報サービス届出管理弁法」や届出申請書の記入案内を参照してください。こうした制度があることと、特定の海外ホスティング構成がどの手続きに該当するかは、分けて検討する必要があります。
東京だけに設置する構成では、実際の配置を確認する
ウェブサイトのオリジンサーバーとアプリケーションの処理先が日本の東京にあり、中国本土のサーバーを使ってそのサイトの接続を提供していない場合、通常は、その中国本土のサーバー接続に関するICP届出を要しません。これは限定された構成についての判断であり、「海外サーバーを使えば、どのようなサイトも手続き不要」という意味ではありません。
まず、公開するサイトのファイルだけでなく、ログイン処理、API、データベースなどの配置先も確認します。ウェブの入口は日本でも、アプリケーションの一部を別の事業者や別の地域に置いていると、想定していた構成と実態が異なる場合があります。
また、届出の要否と、サイトのコンテンツ、個人情報の扱い、営業上必要な許可は別の確認事項です。日本に利用者データを置く場合の考慮事項は、日本でのデータ取り扱いに関する案内も参考にしながら、対象となる制度や契約上の責任を整理してください。
国内の接続サービスを組み合わせる場合は、全構成を洗い出す
東京にオリジンサーバーがあるという情報だけでは、サイトの接続経路全体を判断できません。プロキシ、CDN、アプリケーションの中継、国内側のキャッシュなどを利用している場合は、提供事業者と実際の配置場所をひとつずつ確認します。
確認時は、次のように役割を分けて記録します。
- ウェブサイトのファイルを保管するオリジンサーバーはどこにあるか。
- APIやアプリケーション、データベースはどこで処理・保管されるか。
- プロキシやCDNなど、利用者への接続を中継するサービスは誰が提供し、どこに配置されているか。
- 中国本土にあるサーバーや接続サービスを利用しているか。利用している場合、その事業者はどの手続きが必要と案内しているか。
中国本土のサーバーや接続サービスが含まれる場合、東京のオリジンサーバーだけを根拠にサイト全体の結論を出さないでください。接続サービスの提供事業者に対象となるサイト、サービス、接続地点を示して確認し、必要に応じて主管部門にも問い合わせます。江西省通信管理局の非営利サイト届出に関する案内や、浙江省通信管理局のサイト届出情報に関する回答は、確認事項を把握する際の公的な参考資料です。個別の構成に対する判断を、一般向けの案内だけで確定しないようにします。
大陸側へ移す前に、接続とサービス区分を再確認する
海外サーバーでの運用開始後に、中国本土のサーバーや接続拠点を追加する場合、以前の判断をそのまま適用しないでください。移転先の所在地だけでなく、接続サービスを提供する事業者と、公開するサイトやアプリの実態を改めて確認します。
次の項目を変更計画に含めると、移行後に確認漏れが起きにくくなります。
- 移転後のウェブサイト、アプリケーション、データベースの設置場所。
- 中国本土の接続事業者、プロキシ、CDNなどを含む接続経路。
- サービスが営利性・非営利性のどちらに該当するか。
- 事業の分野に応じた許可や、追加の規制の有無。
- 接続事業者から求められる手続きと、主管部門の最新案内。
工業情報化部の非営利インターネット情報サービスに関する手続き案内も確認できます。制度や個別の取り扱いが更新されることがあるため、移行の実施時点で最新の情報を照会してください。
公開前に、配置と届出条件をチェックする
次の項目を順番に確認し、ひとつでも判断できない項目があれば、公開や構成変更の前に接続事業者または主管部門へ照会します。
- [ ] ウェブサイトのオリジンサーバーの所在地を記録した。
- [ ] アプリケーション、API、データベースの実際の配置先を確認した。
- [ ] プロキシやCDNを含む接続経路と、各サービスの提供者を特定した。
- [ ] 中国本土のサーバーや接続サービスを使うかどうかを確認した。
- [ ] サービスの営利性と、事業に必要な許可を別々に確認した。
- [ ] 中国本土への接続を追加する場合の再確認担当者と手順を決めた。
- [ ] 契約するサーバーの設置場所を、提供事業者の最新の製品情報で確認した。
中国本土の接続サービスを使わず、ウェブサイトとアプリを日本の東京に置く構成であれば、その配置条件を記録したうえで、ICP届出の対象を限定して検討できます。工業情報化部が案内する非営利インターネット情報サービス届出の政務説明も、制度の確認先になります。日本の東京にあること自体は、個別サイトの適法性や中国本土からの接続品質を保証するものではありません。
よくある疑問を整理する
日本のサーバーだけで公開するサイトにも、中国本土のICP届出が必要ですか?
サイトのウェブサーバーやアプリケーションを日本に置き、中国本土のサーバーによる接続サービスを使わない構成なら、通常、その中国本土の接続に関するICP届出は必要ありません。ただし、事業上の許可やコンテンツに関する義務までなくなるわけではありません。
海外サーバーを使えば、中国向けサイトを届出なしで運営できますか?
海外にサーバーを置くことだけで、サイト運営に関するすべての手続きや責任が免除されるわけではありません。中国本土の接続サービスを使っていないか、営利サービスに該当するか、業種別の規制がないかを個別に確認してください。
日本にサーバーを置いたまま、中国本土の利用者にも公開すると届出が必要ですか?
利用者が中国本土にいるという理由だけで、必要な手続きを一律に判断することはできません。日本のオリジンサーバーに加えて、中国本土のサーバー、代理接続、CDNなどを使う場合は、提供事業者と実際の接続地点を確認し、主管部門や事業者に適用条件を照会してください。
海外サーバーのサイトに中国本土の接続拠点を追加する場合、何を見直すべきですか?
追加する拠点の設置場所、接続サービスの提供者、ウェブサイトとアプリの配置、サービスの営利・非営利の区分を整理します。変更前に接続事業者の手続き案内を確認し、必要な届出や許可を主管部門に照会してください。従来の海外ホスティングの判断をそのまま引き継がないことが重要です。
サイトの実際の配置場所が確認でき、安定した長期運用や物理サーバーの専有が必要であれば、共有VPSでは基盤構成や割り当て条件が契約仕様に左右される点も比較材料になります。専有AMD物理サーバーは、共有環境とは異なり、物理機を一台単位で利用したい用途に向きます。XFP Cloudの日本・東京の設置場所と利用条件は、日本向けサービス案内およびサーバー構成案内で確認できます。製品の設置場所や仕様は、ICP届出の要否を保証するものではありません。具体的な適用は主管部門の最新案内を確認し、必要に応じて専門の弁護士へ相談してください。
よくある質問
日本のサーバーだけで公開するサイトにも、中国本土のICP届出が必要ですか?
サイトのウェブサーバーやアプリケーションを日本に置き、中国本土のサーバーによる接続サービスを使わない構成なら、通常、その中国本土の接続に関するICP届出は必要ありません。ただし、事業上の許可やコンテンツに関する義務までなくなるわけではありません。
海外サーバーを使えば、中国向けサイトを届出なしで運営できますか?
海外にサーバーを置くことだけで、サイト運営に関するすべての手続きや責任が免除されるわけではありません。中国本土の接続サービスを使っていないか、営利サービスに該当するか、業種別の規制がないかを個別に確認してください。
日本にサーバーを置いたまま、中国本土の利用者にも公開すると届出が必要ですか?
利用者が中国本土にいるという理由だけで、必要な手続きを一律に判断することはできません。日本のオリジンサーバーに加えて、中国本土のサーバー、代理接続、CDNなどを使う場合は、提供事業者と実際の接続地点を確認し、主管部門や事業者に適用条件を照会してください。
海外サーバーのサイトに中国本土の接続拠点を追加する場合、何を見直すべきですか?
追加する拠点の設置場所、接続サービスの提供者、ウェブサイトとアプリの配置、サービスの営利・非営利の区分を整理します。変更前に接続事業者の手続き案内を確認し、必要な届出や許可を主管部門に照会してください。従来の海外ホスティングの判断をそのまま引き継がないことが重要です。